1

Kei-Type462010-12-26

今日は(というより昨夜就寝前から読んでいた)ポストヒューマンをお題にした短・中編集「スティーブ・フィーヴァー」を読了。
んで、その流れのまま伊藤計劃「ハーモニー」へ。
「スティーブ・フィーヴァー」でヒトはどう変わるのか?そもそもヒトとは何だ?と各作者が紡ぐ良質のポストヒューマン論を堪能した後、という不利もあったかもしれませんが、「ハーモニー」は読んでいてダレた。
虐殺器官」で感じていた違和感がまさにそのままの形で再登場のオンパレードだったからなぁ。
前回おれが「虐殺器官」を読んだ時に思った「伊藤計劃って実際に壁やらとにかく殴ったら『痛い』と判るような、そんなありふれた経験した事ないんじゃね?」と例えた体性感覚の欠如(らしさ)が今作「ハーモニー」でも健在のご様子。

大体、「極限状態=戦争」に対して「管理され相互監視の中の平和」という対比があきた。
加えて「個人の極限状態=戦時下のエログロ」ってテンプレすぎるだろ。
そこいら辺りからもう少し考えようもあったと思うんだがな。
あと気に入らんのは「脳医学サイコー調」。
もう少し首から下についてももっと考えてみようよ。
ヒトのパーソナリティって脳だけに宿るもんじゃないと思うんだが。

というわけで、今作は半分くらいまで読んだ辺りで退屈しちゃって、オチを読むためにケツの方をまとめて読んじゃった。
もうちょっと退屈しないで読める作品を頼むわ。

この伊藤計劃という作者を褒め称えシンパとなりそうな読者層はおそらく10〜20代前半くらい?自分の明確な価値観を持たずに読んでハマるパターンがすげー多そうだ。
それで世界の仕組みを知ったように勘違いするんだろうなぁ、痛い子たちって。

読んでいる最中にずっと、この作品世界に「敵海シリーズ」の海賊王ヨウメイをほっぽり込んでみたいと、どれだけ思っていた事か。
そりゃ勿論他所の作品に全く別の作者が生み出したキャラクターを突っ込むなんて無粋な事わかった上ですらそう思い続けてたよ。



すげーだらだらと書き散らしたわけだけど、超要約すると「おれには伊藤計劃の創作物は合わん」。
まぁそういう事なのよ。
おれが合わねーと、いくら言うたところで熱心な読者はいっぱいいるんだからいいじゃん。


神林長平「魂の駆動体」でも読んでお口直しをしましょうかしらん。
フムン。